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 5 : アフリカの貨幣

紙幣や硬貨が流通する以前のアフリカでは物々交換が行われていました。ビーズや宝貝、食塩、織物などが貨幣に相当する価値のあるものとして扱われました。また金属で作られた貨幣が広く用いられました。金属は耐久性があり、他の物に加工できるという特性があるからでしょう。今回の特集ではこの金属の貨幣をとりあげます。素材は鉄、銅、青銅が使われました。形は武器や農耕の道具、腕輪や足輪などの装飾品に由来しているといわれ、部族によってさまざまな形の貨幣があります。大きなものは家畜を買うときに使われたり、婚礼のときの結納金や持参金になりました。

このようにユニークな形をしたアフリカの貨幣はオブジェとして鑑賞を楽しむことができます。今回写真でご紹介した貨幣のいくつかは
ギャラリーかんかん本店で取り扱っています。

貨幣を持った男達
貨幣を持った男達
トポケ族貨幣 貨幣 貨幣 貨幣 貨幣 貨幣
  ナイジェリア  L 18cm (青銅)
ナイジェリアでは 1500 年代からポルトガル人によって銅や真鍮のバングルや足輪がもたらされ、ヤム芋や家畜などと取引されていました。
 
カメルーン 
H 34.5cm (鉄)
コンゴ民主共和国 
クス族  H 33cm (銅)
 
  コンゴ民主共和国 ングバカ族 
H 39cm (鉄)
形は矢の刃先に由来しています。婚礼の持参金などに使われました。
 
カメルーン 
マンビラ族 
H 66cm (鉄)
                 
                貨幣
          貨幣
          ナイジェリア ムムイエ族  L 35~36.5cm (鉄)
貨幣 貨幣 貨幣  
  コンゴ民主共和国 ルバ族 
H 6.5~7cm (青銅)
小さい「カタンガ」はルバ族の遺跡からも発掘されます。
 
コンゴ民主共和国 トポケ族 貨幣“ Libanga ”(鉄)
H 166cm
20 〜 30 本で花嫁を迎えることができました。
   
        貨幣
貨幣 貨幣
ナイジェリア 
ティブ族 
H 69.5cm (鉄)

コンゴ民主共和国 
ングバカ族 
H 38cm (鉄)
投げて使うスローイングナイフですが、次第に名声を表すものとなり、貨幣としての役割を持つようになりました 。

シエラレオーネ 
キシ族 
H 32cm (鉄)
ヨーロッパでは「キシ・ペニー」と呼ばれています。
コートジボワール 
グロ族 
H 23cm (鉄)
キシ・ペニーに似たグロ族の貨幣
 
ナイジェリア 
イドマ族  H 77cm (鉄)
  貨幣 貨幣 貨幣  
  コンゴ民主共和国 
ンゲリマ族 
H 113cm (鉄)
   
ジンバブエ
〜ザンビア 
H 29cm (青銅)
「カタンガ」と呼ばれる貨幣 。
コンゴ民主共和国 ムボレ族 
Ф 22cm H 13.5cm (銅)
足輪として使われていたもの。次第に大きく重くなっていきましたが、それは富のシンボルでもありました。
ナイジェリア  H 44.5cm (鉄)
*農耕民にとって鍬 ( くわ ) は最も重要な道具でした。鍬に似た形の貨幣は加工して鍬に仕上げられるため、多くの部族で用いられました。
     
参考文献
「 African Forms 」 Marc Ginzberg, Skira, 2000
「 Earth and Ore 」 Karl-Ferdinand Schaedler, Panterra Verlag, Munich, 1997
「 l'Afrique sans masque 」 Laurick Zerbini, Museum d'histoire naturelle de Lyon, 2002
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